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骨盤の底には大きな"穴"があいている。骨盤底筋はこの"穴"をふさいでおり、立位の時は骨盤内の臓器が落ちないように支える。
一方骨盤底筋は、腹圧上昇時はしっかり縮み、排尿、排便、お産の時には十分緩むという二律背反性を有する。
男女で共通点も多いが異なる点もあり、性差を含めこのユニークな筋肉群を臨床的に考えてみたい。まず、骨盤の男女差として目立つのは、男の骨盤が漏斗型で狭いのに対し、女性の骨盤は茶筒型で大きく広いという点である。
また男性は骨盤底筋がダメージを受けることはまれであるのに対し、女性は出産に伴いどうしても骨盤底筋が損傷を受けやすい。
骨盤底筋損傷の本態は主として陰部神経損傷であり、骨盤底筋収縮が弱くなって骨盤内臓器(膀胱・尿道・子宮・直腸など)の支持が不良となる。尿道の支持が悪くなれば、腹圧上昇時に尿失禁をきたす。また他の臓器の支持不良は、骨盤臓器脱という臨床的疾患につながる。
骨盤底の正常な機能と解剖を解説した上で、病的状態についても言及する。
■SAMPLE 『開放と閉鎖-宿命的二律背反性を有する骨盤底筋』
※ この動画はウェブ用に画質を落としています。DVDでは高品質な映像をご覧いただけます。